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職場における学習と後輩の成長を促す支援方法 ーリフレクションについて考えてみようー

KOB
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第7回リハタマ教育・管理セミナーの事前情報公開!!

成長を促せない
振り返りを促せない
自発的に動いてくれない
主体的に学んでくれない
どう指導したらいいかわからない

などの悩みを抱えている管理者・指導者必見の内容です!

講師よりメッセージ

第3回リハタマ教育・管理セミナーでも講師を担当していただいた、石野麻衣子先生(医療法人おもと会 大浜第一病院)からメッセージです。

「職場でのよく考えられた実践」は専門職としての成長を促します。リフレクション(内省支援)は成長を促進するための手段、効果的に支援をする方法の一つとして多くの文献で報告されています。人財育成に関わる方々は、日頃から同僚や後輩に対して成長を期待しながら声をかけることが多いと思いますが、単なる声かけとリフレクションの違いはどこにあるでしょうか。
本研修会では、職場における学習とそれを良質なものにするリフレクションについて、その概念をまとめながら支援する立場であるベテラン理学療法士の実際の取り組みについて紹介していきたいと思います。

ここからは、講習会の内容+αを紹介していきますね!!

講師にいただいたキースライドとKOB自身が勉強した内容で書いた記事なので、講習会の内容とは一部異なる部分があるけど、許してね。

講習会ではリフレクションについて、さらに深掘りしていきますね。

リフレクションは継続する

経験年数に関係なく他者との関わりによって自己を省察(リフレクション)し、成長していく。

リフレクションを継続し続けることは重要だね。

セラピスト育成の課題

人材育成の課題は学生・新人だけの問題なの?

違いますよね!指導する側、指導する環境を提供する側、関わる者みんなの問題ですよね!

経験的な指導
現場では、多くの方が教育を学ぶことなく、指導者になってしまうことが多いと思います。
そのため、自分が指導された経験を元に後輩を指導するしかありません。
もし、経験だけで指導者になれるのであれば、誰でも学校の先生になれてしまいますよね。
そんなわけありません。だからこそ、教育を学んで行く必要があります。

充実度に関する差
現場によって、指導環境が整備の程度に大きな差があると思います。組織の指導環境をいきなり変えるのは難しいですが、一人ひとりの指導者が新人のために、指導力を向上させていくことはできます。

臨床指導過程重視
リハビリ職では、臨床業務が行えることが大きな目標の一つになります。そのため、臨床思考過程重視になってしまうことは理解できますが、教育の目標はそれだけではありません。日々、進歩・変化していく医療に対応するためには、継続的な学習が必要になります。それに対応できる、主体的な人材を育成することも重要だと思います。

ポイントは育てる人をどう育てるか!!

育てて行く中で、経験をどう学習に活かすかがポイントになります!
次からは『経験』をどう指導に活かすか見ていきましょう!

なぜ経験学習が重要なの?

経験から学ぶ力とは何か?

適切な「思い」と「つながり」を大切にし、「挑戦し、振り返り、楽しみながら」仕事をするとき、経験から多くのことを学ぶことができる

松尾睦:職場が生きる人が育つ「経験学習」入門. ダイヤモンド社, 2019.11; p2

人の成長を決める要素の割合を示しています。

「直接経験」が70%を占めています。

つまり、経験から学習することは非常に重要なのです。
経験から学びを得ることができる人が成長できる人だと思います。

もちろん、教科書を読んだり、研修会に参加したり、先輩・同僚からアドバイスをもらうことも重要だと思います。ただ、臨床は毎日患者様とリハビリをやる経験が大半を占めています。この経験から学べるセラピストは成長することができ、さらに教科書・研修会・アドバイスでの学びをいかすことができるのではないかと思います。

経験から学ぶ3要素

ストレッチ:問題意識をもって、挑戦的で新規性のある課題に取り組む姿勢
 ➡挑戦的で新規性のある仕事に取り組むと、自分が持っていなかった新しい知識やスキルが必要になります。ただ、掲げる目標が高すぎると、現実味がなく意欲を損なったりする可能性があるため、「適度の難しい課題」、つまり「頑張ればできそうな課題(努力すれば成果があがる)」に設定することが重要です。

リフレクション:行為を振り返り、知識・スキルを身につけ修正する姿勢
 ➡起こった事情や自身の行為を内省すること、すなわち振り返ることを指します。振り返りによって、経験からより多くの教訓を引き出すことができ、行為の後で振り返ることによって、仕事を通して学んだことや得た教訓を、頭の中で整理し、意識づけることができます。

エンジョイメント:自分の取り組む仕事にやりがいや意義を見つける姿勢
 ➡仕事自体に関心を持ち、やりがいや面白さを感じることで意欲が高まっている状態、および仕事をやり切ることで達成感や成長感を感じている状態を指します。

よく考えられた実践(指導ポイント)

よく考えられた実践は、『経験学習サイクル』の各要素と対応しているみたいだよ!!

目標のストレッチ

●懸命に手を伸ばせば届く目標を立てさせる

●成長のイメージを持たせる

●成長を期待していることを伝える

進捗を確認し、相談を促す

●こちらから声をかける

●定期的に個別ミーティングを行いしっかりと聞く

●こまめに時間をとり、取り組みが見えるようにする

内省の促進

●成功失敗の原因を本人に語らせる

●成功失敗のパターンを認識させる

●より良い方向を考えてもらう

ポジティブ・フィードバック

●成功失敗にかかわらず、まずは労をねぎらう

●まず良い点を伝えてから問題点を指摘する

●普段の仕事の中で成長したと感じた部分を伝える

育て上手の指導者は、①「計画を立てるときには、若手がより高い目標に挑戦するように励まし、②「実行」時には、相談しやすい雰囲気を作って仕事の進み具合について確認し、③仕事の成果を「評価」するときには、成功や失敗の原因を考えさせるなど内省を促し、④教訓を引き出したり「改善」する場合には、改善ポイントだけでなく、必ず良い面もフィードバックする傾向にありました。

松尾睦:職場が生きる人が育つ「経験学習」入門. ダイヤモンド社, 2019.11; p167

後輩・部下の成長を促すためには

●よく考えられた実践(経験)の場を提供すること

●リフレクションを促すための上肢や先輩による意図的(効果的)な声掛け

●コミュニケーション技術の一環としてのリフレクションスキルをどのように身につけるか

まず、自分自身がリフレクションスキルを獲得しないと、指導にはいかすことはできないよね。
そのため、リフレクションスキルとはそもそも何か知る必要があるよね。
それを理解した上で、中堅職員への教育(と教育システムの構築)をしていこー

成長を促す3つの経験とは?

1.他部門や他組織と連携しながら仕事した経験

2.組織における変革・改善に関わった経験

3.部下・後輩を育成した経験を積んだ人

こういった経験を積んだ人ほど、管理者に必要な能力を身につけています。

簡単にいうと、

『連携』・『変革』・『育成』

が成長を後押しする3本柱です!!

育て上手な管理者の特徴

育て上手のマネジャーは、部下が経験する際に、成長ゴールによって仕事を意味づける形でポジティブにストレッチした経験を促します。

そして、失敗体験だけでなく成功体験も振り返らせることで、バランスの取れたリフレクションを支援します。
このような振り返りの中で、部下の「強みを認識」させることで、「強みの活用・強化」させています。

ここからは、理学療法士としてメンタリングしていくために必要な視点について見ていくよ!

理学療法士がメンタリングを考える上で必要な視点

①後輩の状況を把握した上での客観的アドバイスと賞賛
②メンターからの声かけと話しやすい雰囲気づくり
③ルールやマナーの教授
④モデルとなるための自己研鑽
⑤キャリア目標の理解とそれに対する支援

こららは、理学療法士を育成する過程で、心理的・社会的側面への支援の必要性を示すものです。理学療法士は、就職後患者に提供する治療技術を習得するために研鑽を積むが、習得すべき能力はそれだけでなく、コミュニケーションスキルや自律的学習能力、専門職としての倫理観など多岐に渡ります。

次に示すのは、具体的にメンターとして大切なことをまとめた図になるよ!

石野先生の論文紹介

理学療法士におけるメンタリング行動指標の開発とその信頼性・妥当性の検証

理学療法士教育に必要なメンタリングスキルに関する質的研究
出典:日本リハビリテーション教育学会誌(Vol.5No.4)➔リンクはこちら

参考図書

Q
職場が生きる 人が育つ 「経験学習」入門

『職場が生きる 人が育つ 「経験学習」入門』は、経験学習というアプローチを用いた職場での人材育成の方法について解説した書籍です。 経験学習とは、仕事において経験を積み重ねながら自己成長を促すアプローチであり、その方法として「実践→観察→考察→実践」というサイクルを繰り返すことが重要です。このサイクルを通じて、自己成長や問題解決力、そしてリーダーシップを身につけることができます。 本書では、経験学習の理論と実践を具体的な事例を交えて解説しています。例えば、経験学習を取り入れたトレーニングプログラムの作り方や、経験学習を通じてリーダーシップを発揮する方法などが紹介されています。 また、経験学習を取り入れることで職場の環境改善にもつながるという点も強調されています。具体的には、経験学習を通じて従業員が自己成長し、より高い生産性やクオリティを実現することができるという点です。 本書は、経験学習に興味がある人や職場での人材育成に悩んでいる人にとって、非常に役立つ内容となっています。また、著者の実践的なアドバイスが多数含まれているため、実践的な視点からも非常に参考になります。

Q
部下の強みを引き出す 経験学習リーダーシップ

『部下の強みを引き出す 経験学習リーダーシップ』は、ジョン・C・マクシウェル氏によるリーダーシップに関する書籍です。マクシウェル氏は、数多くのリーダーシップ関連書籍を著しており、リーダーシップに関する講演やセミナーを行う世界的な講演者の1人でもあります。 本書では、部下の強みを引き出すことがリーダーシップの重要な役割であるというテーマが取り上げられています。そのためには、部下の個性や能力を理解し、彼らが自分自身を成長させるための経験を提供することが必要です。本書では、経験学習と呼ばれる学習理論をベースにしたリーダーシップの手法が紹介されています。 経験学習は、新しい状況に直面した際に、過去の経験をもとに問題を解決する学習方法です。経験学習リーダーシップは、部下が自分で問題を解決できるようになるために、彼らに経験を提供することを目的としたリーダーシップの手法です。 本書では、経験学習リーダーシップの5つの段階について詳しく解説されています。まず、部下に何ができるかを見極めることが必要です。次に、部下に問題を解決する機会を与えることが必要です。その後、部下が自分で問題を解決するための支援を行い、その後、部下が成果を出した場合には称賛を与えます。最後に、部下が自己肯定感を持てるようになるようにサポートをすることが大切です。 また、本書では、経験学習リーダーシップを実践する上での具体的なアドバイスや、成功事例、失敗事例なども紹介されています。これらの情報をもとに、リーダーシップのスキルを向上させ、部下の成長を促すことができるでしょう。

ABOUT ME
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リハタマ代表/理学療法士/博士(医療福祉教育・管理)/修士(OMPT))
理学療法士として、回復期・通所リハ・老健・クリニックを経験し、現在もクリニックで臨床を継続しています。主に徒手理学療法を中心に勉強していく中で、体系的に学びたいと思い、修士課程で国際徒手理学療法コース(Orthopedic Manual Therapist:OMPT)を卒業しました。 自分自身も様々な教育を受け、新人指導や科長として施設の運営など教育・管理に携わる機会が増えていきました。そして、教育・管理ってどうするの?臨床ではエビデンス求めるのに、教育・管理に根拠(エビデンス)は必要ないの?って疑問に思い、博士課程で医療福祉・教育管理分野に進学しました。 大学院で学ぶ中で、リハビリテーション分野の教育・管理分野の原著論文の少なさに驚きました。また、自分は大学院で教育・管理を学びましたが、リハビリテーション分野の方々が教育・管理を気軽に学ぶ場がないことに気づきました。 この現状を解決するために「リハタマ」の運営を決意しました。 まだスタートしたばかりの「リハタマ」ですが、メンバーの皆さまとリハビリテーション分野の教育・管理を共に育むことができたら嬉しいです。
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