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『働きがい』ーいきいきした職場づくり

KOB
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第5回リハタマ教育・管理セミナーのテーマである

『働きがい』

について、厚生労働省の調査・理学療法分野・看護分野の論文を簡単に紹介しますねー

厚生労働省の『働きがい』調査

「働きがい」は「自分の意見や希望が受け入れられる」「自分の仕事の意義や重要性に対して説明がなされる」といった「自己効力感」が充足されるような雇用管理がなされた場合に高まる傾向があり、「働きやすさ」は「自己効力感」に加え、「相談できる体制」や「福利厚生」に関する雇用管理がなされた場合に高まる傾向がみられる

「働きがい」「働きやすさ」は、従業員の意欲、定着及び会社の業績向上と関係が深い

「働きがい」「働きやすさ」を高めるためには、適切な雇用管理制度等の実施などの取組み
と、良好な労働条件の設定の両方が重要である

理学療法分野における働きがい・職務満足度に関連する要因

理学療法士の「働きがい」の構成要素は,

「評価」,「処遇」,「人間関係」,「能力向上」,「配置」,「達成感」

で構成されていることが明らかとなった .

そのうち「働きがい」と特に関係が強い要素は,

「評価」,「処遇」,「人間関係」の順であることが明らかになった。

山下淳一, 堀本ゆかり, 千葉淳弘: リハビリテーション専門病院に勤務する理学療法士の働きがいに影響を与える要因. 理学療法科学, 2022, 37(1): 101-105.

職務満足度が高いほど,労働意欲は向上し,職場変更意図,転職意図は低くなる

職務満足度に独立して影響する因子として,

「年齢」,「対人ストレス」,「上司サポート」,「仕事裁量度」,「職業適性度」,「働きがい」

仕事裁量度,職業適性度,働きがいが高く,対人ストレスが低いほど職務満足度は向上する

鈴木哲, 木村愛子, 内田芙美佳, 他: 理学療法士における職務満足度に関連する因子の検討. 理学療法科学, 2016, 31(3): 413-418.

看護分野における働きがい・職務満足度に関連する要因

働きがいを構成する心理的実感として

《患者 ・家族への親近感》《患者 ・家族に対する自己存在感》
《達成感》《コン トロール感》《自己成長感》《自己効力感》

働ぎがいに影響を及ぼす業務上の経験 としては、

《治療の進行に伴う患者の状態の改善》《患者・家族からのポジティブフィードバック》《困難な状況の改善》《看護に対する他者の良好な評価》《看護業務の遂行》
《高い看護技術の発揮》《患者・家族と触れ合うケア》

職場環境として
《良好な人的環境》《良好な労働条件》《職場環境の整備》

船越朋子, 河野由理: 看護師の働きがいの構成要素と影響要因に関する研究-急性期病院に勤務する看護師を対象とした分析から-. ころろの健康, 2006, 21(2): 35-43.

看護師が“いきいきと働く”経験に影響した要因(個人の要因と仕事の要因)

【努力が良い結果につながる】
 ➔自分の努力の成果に対し評価の言葉を得る
 ➔自分の努力によりよい結果につながる
 ➔自分の力を相手のために役立てる
 ➔周囲のスタッフから自分の看護を信頼されている
 ➔自分の行っていることが上手くいっていると実感する

【安心して働ける環境】
 ➔看護の方向性に共感し合える仲間と共に働く
 ➔困ったときにはいつでもサポートを受けられるような周囲の関係性がある
 ➔職場の人間関係が良い

【先の見通し】
 ➔これまでの学びから次にとるべき行動を予測できる
 ➔自分の目指す看護師像に向かっている
 ➔興味をかきたてられる仕事がある

【仕事に対して当事者意識を持って取り組む】
 ➔仕事に対して当事者意識を持って取り組む

長井聡子, 大河原知嘉子, 湯本淑江, 他: スタッフ看護師の “いきいきと働く” 経験に影響した個人および仕事に関する要因:半構造的インタビューにもとづく内容分析. 日本医療・病院管理学会誌, 2020, 10, 59(4): 168-176.
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リハタマ代表/理学療法士/博士(医療福祉教育・管理)/修士(OMPT))
理学療法士として、回復期・通所リハ・老健・クリニックを経験し、現在もクリニックで臨床を継続しています。主に徒手理学療法を中心に勉強していく中で、体系的に学びたいと思い、修士課程で国際徒手理学療法コース(Orthopedic Manual Therapist:OMPT)を卒業しました。 自分自身も様々な教育を受け、新人指導や科長として施設の運営など教育・管理に携わる機会が増えていきました。そして、教育・管理ってどうするの?臨床ではエビデンス求めるのに、教育・管理に根拠(エビデンス)は必要ないの?って疑問に思い、博士課程で医療福祉・教育管理分野に進学しました。 大学院で学ぶ中で、リハビリテーション分野の教育・管理分野の原著論文の少なさに驚きました。また、自分は大学院で教育・管理を学びましたが、リハビリテーション分野の方々が教育・管理を気軽に学ぶ場がないことに気づきました。 この現状を解決するために「リハタマ」の運営を決意しました。 まだスタートしたばかりの「リハタマ」ですが、メンバーの皆さまとリハビリテーション分野の教育・管理を共に育むことができたら嬉しいです。
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