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eポートフォリオの実際 -Google classroomを利用したデモ紹介-

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Google classroomを使ったeポートフォリオの紹介

当整形外科クリニックではGoogle classroomを活用したeポートフォリオを使って、新人教育を行っています。今回は実際に行っているデモを紹介して、eポートフォリオがどのようなものなのかイメージできるようになることを目標に記事を書きたいと思います。
具体的な使い方等は今後記事を書いていきます!


eポートフォリオによる記録物と記録方法

実際に記録する物は、自分の病院にあったもの選択して、病院独自のeポートフォリオを作っていただければいいと思ってます。ここで示すのはあくまでも一例です!

ポートフォリオの中には、目標シート(ゴールシート、振り返りシート)・評価シート(CEPT、Mini-CEX)・学習の記録(症例レポート、学習のまとめ、参考文献)・外部研修(研修報告書、学会抄録)・日常業務の記録(担当患者数記録、インシデントレポート、患者からのお礼の手紙)など学習・業務等の関わる全てをポートフォリオに挟み込みます。そのため、新人の業務・学習プロセス全体を把握することができるため、より適切なコーチング・メンタリングが可能になると考えられています。

次はその記録物を記録していくかについてです。
現在はGoogle classroom上のメンバーごとに課題をまとめ、それと同期しているGoogle driveを利用して記録を整理しています。


一年間の指導の流れ -まとめ-

❶日々の学習・経験・指導した内容をすべてGoogle driveに保存する

❷ゴールシートで年間目標、将来の目標の設定

❸振り返りシートを使った面談で毎月の目標設定と1か月間の振り返り

❹CEPT・Mini-CEXを使用し、3ヶ月おきに臨床能力評価し、到達度の確認

❺個人課題で苦手分野を克服し、勉強の仕方と知識の応用方法を獲得

❻毎週のオンライン勉強会と確認問題で基礎知識の習得

❼日頃の業務内容も同時にまとめる

❽エントリーシート・ゴールシートの振り返りシートにて一年間振り返り

❾ショーケースポートフォリオを作成

❿ポートフォリオ発表会の実施

ポートフォリオ使用の実際

以下であげるような記録物はすべてGoogle classroomを利用し、課題の提示と提出物の管理を行うことができ、オンライン中心で管理することができます。

ゴールシート

①1年後の目標、②5年後の目標を書いてもらっています。
これを道しるべにして、新人たちがキャリア形成できるように促しています。

振り返りシート

1ヶ月に1回面談を行い、学習状況の確認と今後の学習方針の確認を行っています。
新人の自己内省を促し、自己主導型学習方法の獲得を目指しています。
内容❶これまでの自分の振り返り(1.変わったところ:成長した点、2.変わってないところ:成長した点、3.変わっていないところ:今後も大事にしたい考え方・思考)
内容❷これまでの学習の振り返りと今後の学習予定


CEPT・Mini-CEX

この2つの評価表は新人の学習・臨床到達度を継続評価するために使用しました。

CEPTは継続教育における到達目標である自立した理学療法士が獲得すべき能力を基に、理学療法士の継続教育に活用すべき評価表である。

Mini-CEXとはmini-Clinical Evaluation Exerciseの略で、簡易版臨床能力評価法と訳されます。元々は研修医の臨床能力を評価するための開発された評価表です。リハビリにおける信頼性・妥当性共に検討されていませんが、ベッドサイドで20分もあれば評価できるので、当院ではMini-CEXを使用して臨床能力の評価を実施しています。

個人課題

新人によって得意・苦手な分野は異なり、進捗状況も異なります。そこで新人の特性に合わせて、定期的(2~3週間おき)に課題を提示し、フィードバックを行っています。フィードバックはGoogle classroomのコメントの機能を利用し行いました

クリニカルクエスチョン

日頃臨床で疑問に思ったトピックについて、簡単にまとめてきてもらいました。まとめてきてもらった内容に対してコメントを追加し、簡単にプレゼンしてもらったうえで、知識の確認・まとめ方・勉強方法などを伝えました。目的としては、新人が今後臨床で疑問に思ったことを自分の力で解決できるようになることを目標としました。最終的には、まとめた内容で簡単な伝達講習をしてもらいアウトプットにつなげていこうと考えています。クリニカルクエッションという名前は自分が勝手につけた名前なので、あまり参考にしないでもらえると幸いです。

症例レポート

日頃みた患者様の症例についてまとめてレポートにしてもらっています。まとめてきた内容に対して臨床推論する上で必要な内容に対してコメントをしたり、より幅広く包括的にみるために必要な知識をコメントしたりしています。目的としては、論理的な臨床推論を行えるようにすることです。最終的には学会での症例発表をしてもらいました。

勉強会・確認問題

当院では毎週Zoomを利用したオンラインでの勉強会を行っています。Google classroomを利用し、Googleフォームを使えば確認問題などを簡単に作成することができ、勉強会の理解度の把握などができます。自動採点機能なども備わっているため容易に管理することができます。

日頃の業務内容も同時にまとめる

学習内容だけでなく、日頃業務で行った内容(インシデントレポート、日常業務の取り組み、委員会の議事録、患者からの手紙等)の記録もeポートフォリオの中に記録します。もちろん仕事は勉強するだけではありません。日常業務・社会常識等を含めた包括的な指導が必要です。そこで、eポートフォリオの中に日頃業務で行った内容を組み込むことで包括的な指導が実現できると考えています


成長エントリーシート・ゴールシートの振り返りシート

成長エントリーシート
一年間の振り返りシートです。一年間で成長したことを箇条書きで書き出してもらいます。
❶目に見える成長(できるようになった技術や習得した資格など)
❷目に見えない成長(他者の気持ちを洞察できる力など人間的成長のこと)
❸成長できなかったこと(成長したいのにできなかったこと)

❹一年間で成長したこと(身につけた力)ベスト3
❺この一年間で身につけた力を、今後どのようなシーンで活かしますか?
❻一番成長できなかったワースト1
❼一番成長できなかったことを、今後どのように改善していきますか?

ゴールシートの振り返りシート
最初に立てた1年間の目標の振り返りを行い、今後への成長の糧にしてもらいます。
❶自己採点(100点満点)
❷加点の理由
❸減点の理由
❹今後目標達成に必要だと思う具体的な方法と考え方の記載

一年間の振り返りを「エントリーシート」と「ゴールシートの振り返り」を使用し行います。このシートをものに面談を行うようにしました。
最後の課題として、ショーケースポートフォリオを作成し、発表会として1年間の締めくくりとしたよ。

ショーケースポートフォリオ作成

ポートフォリオを1年間蓄積していくと、膨大な情報量になります。そこで、1年間の振り返りとしてショーケースポートフォリオを作成することと、ポートフォリオ検討会を実施することが提案されています。

1年間やってきた中で「最も~」な成果物をショーケースポートフォリオという形で、再構築します。「最も~」な成果物が何かというのは難しいのですが、新人自身が感じたままにまとめてもらってください。

そして、ショーケースポートフォリオを使って新人の1年間の学習の成果を発表してもらい、様々な方々(同僚や先輩)からフィードバックを頂き、振り返りを行うとともに、来年に向けての計画を検討していきます。


デモの経過報告 -CEPT・Mini-CEXの経過-

ほぼすべての項目で向上が見られます。このことからeポートフォリオは包括的な指導ができる可能性を示唆しています。今後様々なところでeポートフォリオを利用し、経過の報告をしたいと思ってます。


参考図書

このブログ記事作成にあたって参考にしている書籍の紹介です!

ポートフォリオで未来の教育
この本をもとにポートフォリオのアウトラインを作っています。
具体的な実践の方法が非常にわかりやすくまとまっています。

eポートフォリオ -医療教育での意義と利用法-
eポートフォリオの理論背景はこの本を参考にしています。
eポートフォリオの特徴を教育学に基づいてわかりやすくまとまってます。

できるGoogle for Education
Google classroomの使い方が基本からわかりやすく乗っています。
ほとんどこの本から使い方を学びました。

ABOUT ME
KOB
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リハタマ代表/理学療法士/博士(医療福祉教育・管理)/修士(OMPT))
理学療法士として、回復期・通所リハ・老健・クリニックを経験し、現在もクリニックで臨床を継続しています。主に徒手理学療法を中心に勉強していく中で、体系的に学びたいと思い、修士課程で国際徒手理学療法コース(Orthopedic Manual Therapist:OMPT)を卒業しました。 自分自身も様々な教育を受け、新人指導や科長として施設の運営など教育・管理に携わる機会が増えていきました。そして、教育・管理ってどうするの?臨床ではエビデンス求めるのに、教育・管理に根拠(エビデンス)は必要ないの?って疑問に思い、博士課程で医療福祉・教育管理分野に進学しました。 大学院で学ぶ中で、リハビリテーション分野の教育・管理分野の原著論文の少なさに驚きました。また、自分は大学院で教育・管理を学びましたが、リハビリテーション分野の方々が教育・管理を気軽に学ぶ場がないことに気づきました。 この現状を解決するために「リハタマ」の運営を決意しました。 まだスタートしたばかりの「リハタマ」ですが、メンバーの皆さまとリハビリテーション分野の教育・管理を共に育むことができたら嬉しいです。
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