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文章を図にするポイント

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KISSの原則

スライドを見たときに文章がズラッと書いてあった時に、見た瞬間に読む気がなくなったことはありませんか?
プレゼンテーションの書籍を見ていると時々「KISSの原則」という言葉を目にします。「KISSの原則」とはケリー・ジョンソン氏によって提唱された原則です。「Keep it simple, stupid」の略で、日本語で「シンプルにしておけ!この間抜け」と解釈されます。プレゼンテーションにおいても「KISSの原則」は重要であると思っています。

文章を図にする時のルール

スライドでは基本的に文章を書かずに、視覚的に理解しやすくするために、図を使って示す方が伝わりやすいのではないかと思っています。普段自分が文章を図にする時に意識しているポイントを下記に示します。

文章には当然接続詞があります。例えば「順接」・「逆説」・「並列」・「列挙」・「対立」・「対比」など様々なものがあります。様々な接続詞に合わせて、どのような図を選択するかルールを決めることが重要だと思います。

このように、自分の中でルールを決めておけば、文章を図にする際に迷うことは少なくなると思います。また聞く方も法則がしっかりしているため、図を見たときに意味が伝わりやすくなると思います。スライドを作る時にはルールを決めて統一感を出すことがポイントになります。

自分はよく使用する図を、一つのPowerPointに保存して使用する際にコピーして使えるようにしています。使用しているうちにコンテンツが増え、スライド作成時間も大幅に減少しています。

パワポ素材(例)

実際の作成例

症例検討を通して作成したスライドで簡単に説明したいと思います。

列挙の例

列挙の簡単な例です。
文章のスライドと簡単に図にしたスライドを比較してみてください。
どちらが情報が入っていきやすいでしょうか?

文章のスライド


図のスライド


列挙・順接・比較の例

後大腿皮神経の解剖と臨床所見に関係についてスライドでまとめてみました。
まずは文章の説明を見てみます。

後大腿皮神経の走行は坐骨神経の内側を下降し、膝関節遠位まで神経が分布していますが、足関節までは分布していません。つまり、膝伸展により後大腿皮神経は伸張しますが、足関節の影響は受けないと考えます。
股関節屈曲では大殿筋伸張による絞扼による疼痛が生じ、SLRでは大殿筋伸張の絞扼に加え、膝伸展による後大腿皮神経の伸張が生じ、より制限が大きくなったと考えます。

簡単に文章を分解すると、後大腿皮神経の解剖と特徴は①坐骨神経の内側を下降、②膝関節遠位まで神経が分布、③足関節までは神経が分布していない、の3つの要素が「列挙」されています。次は解剖学的特徴の結果(「順接」)として、①膝伸展により後大腿皮神経は伸張、②足関節の影響は受けないの2つの要素が「列挙」されています。
そして、膝伸展の影響で神経が伸張されるため、股関節屈曲とSLRを比べる(「比較」)とSLRでより制限があり痛みが生じていることを説明しています。


スライドだけでは伝えきるのは難しいですが、目標はスライドだけで言おうとしていることが視覚的に理解できることです。単純により大きい方の円を大きくしたり、強調したいところを太字にしたり、文章の位置や大きさをそろえたりと、ちょっとした気遣いで見やすさが変わるので、プレゼントをあげると思って相手のことを思ってスライドを作成してみてください。

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参考文献

1)Meng, S., Lieba-Samal, D., Reissig, L. F., Gruber, G. M., Brugger, P. C., Platzgummer, H., & Bodner, G. (2015). High-resolution ultrasound of the posterior femoral cutaneous nerve: visualization and initial experience with patients. Skeletal Radiology, 44(10), 1421–1426.

スライドデザインのセオリー
スライドのデザインの基本はほとんどこの本で学びました。
PowerPointが初めての人でも非常にわかりやすく書いてあり、スライドのデザインの基礎を学ぶなら読むべき一冊だと思います。

「伝わるデザイン」PowerPoint資料作成術
この本も具体例を通して、わかりやすくデザインのポイントが記載されています。
是非参考にしてみてください。

ABOUT ME
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リハタマ代表/理学療法士/博士(医療福祉教育・管理)/修士(OMPT))
理学療法士として、回復期・通所リハ・老健・クリニックを経験し、現在もクリニックで臨床を継続しています。主に徒手理学療法を中心に勉強していく中で、体系的に学びたいと思い、修士課程で国際徒手理学療法コース(Orthopedic Manual Therapist:OMPT)を卒業しました。 自分自身も様々な教育を受け、新人指導や科長として施設の運営など教育・管理に携わる機会が増えていきました。そして、教育・管理ってどうするの?臨床ではエビデンス求めるのに、教育・管理に根拠(エビデンス)は必要ないの?って疑問に思い、博士課程で医療福祉・教育管理分野に進学しました。 大学院で学ぶ中で、リハビリテーション分野の教育・管理分野の原著論文の少なさに驚きました。また、自分は大学院で教育・管理を学びましたが、リハビリテーション分野の方々が教育・管理を気軽に学ぶ場がないことに気づきました。 この現状を解決するために「リハタマ」の運営を決意しました。 まだスタートしたばかりの「リハタマ」ですが、メンバーの皆さまとリハビリテーション分野の教育・管理を共に育むことができたら嬉しいです。
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